素直になれない者同士の恋
「あ…そ、そうだいずみ。」
なんだかこの空気に耐えきれず、私はベッドから離れメインの物を渡すことにする。
「はい、……これあげる。」
そう手渡したものは小さな箱に入れたチョコ。
もちろん、綺麗に包装してある。
「さんきゅ、今回は夏生と半分ずつじゃないんだな。」
なんか特別って感じがしていいな、と嬉しそうな笑みを見せる。
私は部屋の隅に置いてある折り畳みのテーブルを出して開いた。
いずみはそこにチョコの箱を置き包装紙を破り始め、中身を取り出している。
その目がキラキラしていて幼い子供みたいで笑ってしまう。
「……ん、これって」
どうやら、1枚のカードに目が止まったみたいだ。