素直になれない者同士の恋






「おばさん、いずみが毎度迷惑をかけてすいません。」


「そんな…なんで夏生くんが謝るのよ、気にしなくて大丈夫よ?」


「……でも、」


「まあ、いずみくんにも困ったものだけど、沙南も沙南よ。いい加減大人になりなさい。」


もう18でしょ?と言いたげな視線を送られる。



「だって、いずみが……」


私は、そう言いかけて口を閉じた。


急に夏生がテーブルの下で手を泳がせていた私の手をきゅっと軽く握ってきたからだ。



驚いたように、夏生を見たらまるで、そこまでで辛抱して。というような目配せをしてくるものだから私は仕方なく反論するのをやめた。



二次災害を未然と防ごうとする夏生は、つくづく平和主義だと思う。




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