素直になれない者同士の恋
私、佐藤沙南は真野いずみと夏生と家がおむかいさん同士であり幼なじみ。
親同士が仲が良いことに加えて、いずみと夏生の両親は共働きの為、こうして佐藤家に夕飯を食べに来ることがあるのだ。
別にそれ自体には、昔からのことだから抵抗はないのだけれど問題はいずみ。
何かしら挑発してくるものだから、私も性格上我慢が出来なくて夕飯時はいつも衝突する。
今日も茹でたソーセージはケチャップかマヨネーズかという下らない理由で揉めたし。
はあ、夏生はこんなに冷静なのに、アイツはどうしてああなんだろう。
まあ、そんないずみが好きな私も私だとは思うけれど。
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「沙南、話って何?」
夕食後、家に帰ろうとしている夏生を引き止めて自室に連れてきた。
夏生は、私のベッドに腰を掛けてこちらを見ている。