素直になれない者同士の恋

そんな夏生を見て、私はカバンから綺麗にラッピングしたチョコを取り出す。


そう、今日はバレンタインなのだ。



「はい、これ夏生の分のチョコね。」



私が渡すと少し驚いたような顔の夏生と目があった。



「どーも……ていうか、どういう風の吹き回し？　いつもはいずみとオレは双子だから２人で１個ね、とか言ってるくせに。」



何か裏があるんじゃないか？と言いたげな顔をしている。


さすがは幼なじみ、私のことを良く分かっていらっしゃる。


「実はね……。」


私も夏生の隣に座ると本題に入った。



「今回いずみには義理チョコじゃないんだ。」