あの人は俺たちの兄だった。
アシカショーからぶらぶらと見て回り今は少し休憩中だ
臣さんが飲み物を買いに行ってくれている
「今日は楽しいね、梓兄!」
「あぁ、これも臣さんがいてくれたからだな」
俺たちは椅子に座って優雅に泳ぐ魚たちを見ながらのんびり
あの日常を忘れて話していた
「あれぇ?なんでこんなところに瀧野兄弟がいるんだよ」
「おまえんち金ねぇんじゃねぇのかよ」
「あらあら、この子たちがあの瀧野兄弟なの?」
「まぁ、何とも親に似つかわしい子達じゃないの」
びくっとおびえる葎
なんでこんなところに新島とクラスのやつが・・・
なんで唯一の楽しみである休日にこいつらと会わないといけないんだ
この中不条理だろ
それに子も子なら親も親かよ
親が悪ければ子供も同じように悪い子達
なんでこいつらはいつもいつもそう決めつけるんだよ!!
「なぁ、お前ら親ときてんの?」
「おい、それいったらかわいそうじゃねぇーかよ。こいつらの親がそんなことするわけねぇーじゃん」
そういって二人はけらけら笑う
親たちもまるで汚いものを見るようにこちらを見ている