あの人は俺たちの兄だった。

「黙れよ、親のことをどう言おうと俺たちには関係ないけどな・・・・俺と葎を悪くいうやつは許さない」


あんな親がどういわれようと俺には興味ない

俺自身も思ってることだしそういわれて当然のことをしているから

でも俺と葎が何をしたっていうんだよ

俺たちは息をひそめて他人の迷惑にならないように精一杯生きてきた

なのに・・・なんで俺たちをいらないというように言うんだよ


「あら、なんて口の悪い子」

「親にそっくりだわ」


さげすんだ眼

今まで幾度とみてきたその眼

俺はそれが嫌いだ

俺がさらに言い返そうとしたとき後ろに人の気配がした


「俺の弟たちに何言ってんだよ、あんたら」


普段の臣さんとは思えないほどの低くて怖い声

そして今まで見たことのない怖い顔


「あ、あなただれなの!?」

「誰かだって?んなの二人の兄に決まってんだろ?」

「で、でもそいつらに他に兄弟なんて・・・・」



兄弟・・・葎と俺以外の兄弟・・・

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