あの人は俺たちの兄だった。



「これが俺たちの兄さんだよ。最後にあったのは俺が7歳で葎が5歳、兄さんは13歳の時、兄さんがサヨナラって言った以来何も音沙汰はない。でも・・・兄さんは迎えに来るって言ってくれた」


そうだ、兄さんは迎えに来てくれる

俺たちのことを忘れてなんかいない


「俺のもう一人の兄・・・名前、名前知らないの??」

「うん、知らない。父さんに口止めされたらしくて教えてくれなかった。
ねぇ、臣さん。さっきの言葉、どういう意味?」


さっき臣さんは俺たちを弟といった

あれはいったいそういう意味なんだろ

この人が・・・俺たちの兄さんなのか?


「ごめん、それはまだ言えない。言えるのは、君たちの兄さんも父さんも元気だし、兄さんは君たちを迎えに行くために頑張ってるよ。時が来れば・・・彼も現れる」

「そ・・・っか」


兄さんは元気なんだね

俺たちにした約束を守ろうとしてくれてるんだ

それだけわかれば・・・今はいい


< 35 / 73 >

この作品をシェア

pagetop