あの人は俺たちの兄だった。
“今日も来てやがる”
“顔なんか見たくない”
そういわれることには慣れた
母さんと呼ばせる叔母にも、あの男にもクラスメートにも
誰にも必要とされない・・・この世界には慣れた
また始まる・・・
必要とされない疎まれる一週間が
「じゃぁー、ここを瀧野!お前が解け」
「はい」
一限目、数学
俺は担任に当てられ前に出ようとする
勿論俺が立ち上がればあたりから野次が飛ぶ
なんでこうなるのがわかってんのに先生は俺をあてるんだろう、馬鹿だろ
俺は邪魔をしようとする皆の足を避けて黒板に回答を書く
「はい、正解。よく勉強してるな」
「・・・」
思ってもないこと言うなよ、偽善者が