あの人は俺たちの兄だった。

“今日も来てやがる”

“顔なんか見たくない”


そういわれることには慣れた

母さんと呼ばせる叔母にも、あの男にもクラスメートにも

誰にも必要とされない・・・この世界には慣れた



また始まる・・・

必要とされない疎まれる一週間が




「じゃぁー、ここを瀧野!お前が解け」

「はい」


一限目、数学

俺は担任に当てられ前に出ようとする

勿論俺が立ち上がればあたりから野次が飛ぶ

なんでこうなるのがわかってんのに先生は俺をあてるんだろう、馬鹿だろ

俺は邪魔をしようとする皆の足を避けて黒板に回答を書く


「はい、正解。よく勉強してるな」

「・・・」


思ってもないこと言うなよ、偽善者が
< 40 / 73 >

この作品をシェア

pagetop