あの人は俺たちの兄だった。

あたりを見れば新島はその場に立ちつくしほかのやつらはあわてふためいていた


「梓兄!!」

「だい・・・じょうぶだから、葎」


俺は葎に微笑んだ

少しでも安心させられるように


「神代(カミシロ)先生!」

「どういうことですか!!だから俺は言ったはずでしょ!!はやくそこをどいてください!!」


この学校で唯一といえる俺と葎の理解者の保険医の男、榛眞(ハルマ)先生
 
榛眞先生は俺の傷の部分を布で押し付け止血しようとする

いつもマイペースでのんびりしている先生なのにその顔が必死で少し嬉しく感じた

俺のために必死になってくれる人がここにいるんだ

そう思えるだけで嬉しい


「どいてください、どいてください!!」


誰かの声がした

聞いたことのない声だ
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