あの人は俺たちの兄だった。
「あなたはいったい・・・」
「神代臣。神代グループの副社長であり、次期社長・・・ってのが表向きだ。
さぁ、さっさと帰ってくれ。気持ちのこもってない謝罪なんて聞きたくもないんだよ」
臣さんがそういえばあいつらは肩を揺らして小さくなる
そして頭を下げて病室を出て行った
臣さんを見やればいつもの表情に戻っていた
優しい臣さんの顔に
「・・・・」
「臣兄が本当に本当の兄なの?」
黙り込んでいた臣さんに葎がそう聞いた
臣さんはピクリと反応しさっきまでの強気の臣さんとは別人のように弱い人に見えた
なんでだろう
なんで臣さんは・・・おびえてるんだろう
何が怖いんだろう
「そう・・・だよ。俺が兄。今までごめんな」
「なんで、なんで今まで黙ってたの」