あの人は俺たちの兄だった。

「あんたには暴力振るわれて心底つらかったし殺してやりたいとも思った。
でも、あんたは仮にも俺の父親を演じた男だ。ここまで育ててくれたことには感謝してる。だからこそあんたには幸せになってほしいと思う。顔だって悪くないんだしさ、改心しろよ」


それにあの男は・・・公久(キミヒサ)さんは目を見開いた

これは少なくとも俺の本心なんだ

この人だって昔はこんなんじゃなかったはずなんだ

だって昔に一度だけ見た

この人が心から笑ってる姿を

この人はもう一度笑えるはずなんだ、あの時のように。


「俺は公久さんの心から笑った姿を知ってるから、また笑ってよ」


それに公久さんは唖然とし、本人が気づいているのかは分からないけど涙が見えた


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