拝啓、浅葱色の貴方達。【短編】
…………もしかして、彼等は私を
死なせない為に無理矢理脱退
させたのではないか。
そう考えられるようになった。
そう思っていたとき。
「紗奈ちゃん、居る??」
突然声がし、ばっと振り返る。
其処には。
『…………佐之助??!!』
風貌は変わっていたが、其処に居たのは
確かに十番隊隊長、原田佐之助だった。
「いやー、紗奈ちゃん、元気にしてた?」
何時もの様な巫山戯た態度。
私は勿論声も出ない。
『さの、すけ………生きてたの……??』
やっと出ても震える声。
「俺と新八、脱退してたんだよ。
でも、新八は…………っ!!」
………何となく、分かった。
新八は、脱退したあと、戦いか何かで
亡くなってしまったのだ…………。