拝啓、浅葱色の貴方達。【短編】
私は手紙を読み終えた。
─────ポロ、ポロ、ポロロ。
………涙が、止まらない。
私は確かに、新選組に存在していた。
そして、愛されていた。
そして、皆、自分の事よりも私の事を
考えてくれていた。
「………俺は口から言うぜ??」
佐之助が声をかけてくる。
「…………俺は、紗奈ちゃんが脱退して、
凄く悲しかった。
だって俺は、紗奈ちゃんが好きだったから。
でも、こうして会えて良かった。
ほんと脱退させて悪かったな。
怒ってるなら俺の事殴っても『良かった…』
…………え??」
………ほんと、自分でも吃驚。
こんな女好き、好きになっちゃうなんて。
『佐之助。私、アンタの事、
好きになってたみたい。』
「…………………………………へ??!!」
ククッ…………慌てすぎだし。
『佐之助。家、取り敢えず入りなよ。』
「お、おう………………。」
……………私は、生きている。生きているんだ。
貴方達に生かされたこの命。
大切にしますよ。