【ミドリガメ日記】みーちゃんと私
10 秋風にしみるヒーター♪前編
9月も後半。
里美お姉ちゃんの夏休みも終わり、気温はまだまだ高いけど、午後も3時を回ると、ベランダを吹き抜ける風にはもう秋の気配が漂っている。
ブルル。
「夕方になると、結構風がヒンヤリするね~。ちびちびちゃん」
でかでかちゃんが、大きな体をブルルと震わせてしみじみ寒そうに呟いた。
「そうねぇ、20度を切ると保温ライトの下じゃないと寒いわね……。風邪を引かないようにしないとね」
「うん。そうだね~」
真夏に室温が上がり過ぎて、水槽の子ガメが『茹で上がっちゃう』と言う事故は、意外と多いの。
特に、子ガメのうちは、泳ぎが下手で溺れる個体も居るから、飼育書なんかでも、水深は『甲羅が隠れる位』と書いてある。
でも小さなプラケースや水槽の少しの水では、すぐに水温が生息可能な温度を超えてしまう事も珍しくない。
だから、美智子お母さんは、ベランダの窓を網戸にしてくれて居るんだけど、この頃少し寒いのよねぇ。