キミと奏でる恋模様。




遡ること2日前、ニューヨークに住む父からフランスのアリスのもとまで電話がかかってきた。




パパから電話がかかってくるなんて久しぶりだなと思いながらアリスは電話に出た。




「もしもし、パパ?」




『アーリースぅ‼︎久しぶりだなぁ。風邪はひいてないか?食事はちゃんととっているか?』


いつも通りのハイテンションで話す父親。

矢継ぎ早に聞いてくる父親に対してアリスはめんどうくさそうに答えた。




「大丈夫だよ、それよりどうしたの?」




父のことだ。
放って置くといつまでもこの調子であるため素早く本題に話を向けなくてはいけない。




『あぁ、忘れるところだったよ。アリスが心配でな。ハハハっ』




「はいはい、それで用事って何?」




『実はな、アリスには日本に戻ってもらうことにした』



どうせロクでもないようなことだろうと踏んでいたアリスは予想外だった言葉に数秒間固まっていた。




「…え?どういうこと?」





『つまり、アリスは日本に帰って日本の高校生をenjoy!してもらう』




「なんで?エンジョイの部分を発音よくしても意味ないからね」




『何故と言われてもなぁ…既に決まったことだ学校の方も手配してある』




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