キミと奏でる恋模様。





「あ、アリス。今夕飯を作っているので少しお待ちくださいね」




キッチンに立ってなにやら作業をしている杏里がアリスの方を振り返って言った。




「はーい」




「明日から学校ですね」




「……憂鬱だよ」




「疲れているのは分かりますけれど、そんなこと言わないで楽しんできてくださいよ。ご友人が出来ると良いですね」




不貞腐れているアリスとは対照に杏里はニコニコとしながら言った。




「無理だよ友達なんて出来るわけがないもん」




「そ、そんなことないですよ…」




「良いよ、気を遣ってくれなくても。私に近づいてくる人は〝Callista〟の社長令嬢という肩書きに興味があるだけなんだよ」




そう言ってアリスは儚く悲しげに微笑んだ。





「アリス…」




「気にしないでね。この話はおしまいね、お腹が空いたぁ」




「はい。今、用意しますね」




杏里はお皿に料理を盛り付けてダイニングテーブルの上に並べていった。



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