キミと奏でる恋模様。





聖凛学園は制服が可愛いことで有名らしい。


女子の制服は白いブレザーに茶色のネクタイとチェックのスカートだ。




なんとなくチョコレートを連想させるような色合いである。




制服を着替え終わり、ブラシで髪をとかす。

金糸のような長い髪の毛がきらきらと揺れる。





コンコン


「アリス?杏里です。入ってもよろしいでしょうか?」




ドアの外から杏里が声をかけてきた。




「入っていいよー」




「失礼します…っと今日は準備が早いのですね」




「私だって早く起きることくらいあるんだよ」




ムッとしながらアリスが言った。




「もしかして楽しみだったのですか?日本の学校」




「……そ、そういうわけじゃないけど」




「ふふっ」




杏里はアリスの慌てぶりを見てクスクス笑う。




「ま、まぁ楽しみじゃないこともないような気もしないようなするような?」




「はいはい、わかりましたよ。くれぐれも遅刻はしないようにしてくださいね。この家から学校までは歩いて5分と近いそうですよ。では朝食の準備をしていますね」




杏里はいたずらが成功したときの子供のような顔をして部屋から出て行った。




「……誰が学校なんて…」




そう言いながらも久しぶりの日本に心躍らせていたのは事実であった。



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