不幸を呼ぶ猫。
久しぶりの休日に、
奈緒は裕一の家に遊びにきていた。
最近、裕一は父親に用事があると言って実家に帰ったり、
残業があるからと言って遅くまで仕事場に残ったりして、
二人で過ごす時間は
本当に久しぶりだった。
「なんか、裕一と久しぶりな気がするよ。さみしかったんだからね。」
「ごめんな。でも俺には、奈緒しかいないから。」
甘い言葉に、彼女は幸せそうに笑う。
裕一も目を細め、優しく笑うと
彼女の唇にキスを落とした。
「裕一、私たち結婚しようね。」
これは、
最近奈緒の口癖になっていた。
奈緒は早く子どもが欲しかったし、
裕一との幸せを歩みたかった。
「そうだね。」
裕一はそう言うと、
彼女をベッドに誘った。