不幸を呼ぶ猫。


「な、なにっ。だれっ!」


人当たりのない路地裏に、
不気味な声が響いた。


『ユウイチ、ユウイチって。知ってた?世の中でバカな女ってのは、尻の軽い奴と、アンタみたいに頭の悪い奴のことを言うんだよ。』


奈緒は足元を見た。

そこには、泥まみれの汚い猫が一匹いただけだった。


「猫…?」

奈緒が思い出したのは、
少し奇妙な母親のおとぎ話だった。


< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop