バレンタイン【短編】
「これ、笑わせてもらったお礼。やるよ」
そういいながら渡してきたのは、さっき自販機で買っていたジュース。
『え??あ、あの助けてもらった上にここまでしていただかなくても』
「別にいいってあんなの助けたうちにはいんねーだろ」
いや、でも……。と引き下がらない私に彼は優しい笑みを浮かべて
「別にいいって。今度は一人で通り抜けれるように頑張れよチビちゃん」
と捨て台詞を残して私の帰り道とは反対方向の道を歩き始めた。