裏の顔
本編
いつだって私の味方でいつだって優しく接してくれてた友達が豹変した。
一体彼に何があったの?
私は彼の事をちゃんと見ていなかった?
「だーかーらー、さっきから何度も同じ事言わせんなよ」
私を壁際に追い詰め、逃げられないように私の体の両脇に腕をつきながらその彼はけだるそうに問う。
「俺は、お前が好き」
「…でも、私達は友達で…」
「そう思ってたのはお前だけだろ?」
「そんな…」
今までの私達の関係を否定されたようでうな垂れる。だって私達、周りからも認められるほど素敵な友情関係だったじゃない。ずっとそんな関係が続くと思っていたのに…。
「ま、言わせてもらうと。俺は初めからお前を女としてしか見てないから」
「でも、優くんには弥生がいるじゃない」
「あぁ…あいつね」
優くんは、うーん、と考える素振りを見せてから私が思ってもみない言葉を吐き出した。
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