裏の顔



離れようとしても優くんの力は強くてされるがまま。温かく柔らかい感触だけが脳内を支配する。






荒々しく奪われたのに触れてくる唇は優しくて私の気持ちを惑わせる。






そっと離れた唇。優くんの視線を感じ見つめ合ってしまったのが誤算。その瞳は熱を孕んでいてなんとも魅力的だ。完璧に動揺してしまった自分がいた。





「ふ、顔赤いぜ」






「…っ」






「これで当分は俺の事だけ考えられるよな?」






「なっ…。だからキスしたの!?」






「俺を男として見ろってこと」






「…っ、最低!」






私はおもいっきり優くんを突き飛ばし生徒会室を飛び出した。






無我夢中で走り人気のないトイレに駆け込み個室に入ると息を整えながら必死にさっきの出来事を整理する。






優くんが私を好き? 弥生はセフレ?
もうなにがなんだか分からない。





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