裏の顔
ニヤっと笑った優くんは突然私の肩を掴むと立ち上がらせ隣にあったソファーに私を押し倒す。
は?…えっ、一体なに?
優しい優くんの笑顔にすっかり油断していた。もう今はすでに裏の顔なのだ。近づいてくる顔に焦り私は両手で優くんの唇の行く先を遮った。
「や、やめて。私、帰る」
体をずらし逃げようと試みたものの両手を掴まれ頭の上に束ねられてしまった。体の上に馬乗りになった彼は穏やかに私へ微笑みをくれた。
「聞くまで帰らないはずだろ?」
「こんなことするなんて、思わなかったもの」
「はー…。お前は無防備すぎる。好きな女と二人っきりになったら男は触れたくなるんだよ」
片手で優しく髪を撫でられ、頬に手が下り、顎を上げられたかと思ったら唇が塞がれた。優しく割り込んでくる優くんの舌。
歯列をなぞられお互いの舌が絡まった時、私の奥から例えようのないものが込み上げてきてキュンとなった。