不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「羨ましいって、思う。」
ーーーーーー………………
「ねぇ、あんた、それ本気で言ってんの?」
「ほ、本気だけど……だめ?」
わたしがわざとらしく首を小さく傾げると、
佐奈は乱暴にーーかつ、勢いよくカーテンを開いた。
「ひゃぁ!!」
「可愛くないから!!
それとーー……
その幼稚園児みたいな水着さっさと戻してこいっての!!」
「よ、幼稚園児じゃなーー」
「口ごたえしない!!」
「お、落ち着いて佐奈ちゃん……!!」
鬼のような形相でわたしの試着している水着を見ている佐奈を、悠里がなだめてくれる。
だけど、スイッチの入った佐奈にはちっとも効かなくて。
「高校生にもなったら、ワンピースタイプは卒業すべきなの!!」
「だからわたし、ビキニタイプは嫌ーー」
言い合うわたし達のそばで、おろおろと慌てる悠里。
なぜこんなことになっているかというとーー
事のきっかけは、1週間程前にさかのぼるーー…。