不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
悠太くんの机の前に座るわたしと、わたしの机でノートを写してる颯真。
その颯真から、何か視線を感じるような気がしたけどーー
わたしは頑固として、颯真の方は見なかった。
どうして颯真がまた、わたしにちょっかいをかけることが増えたのか、それがわからないけどーー…
でももう、辛い想いはしたくないんだよ。
……泣きたくないよ。
「…………。
……明里。
ここの解き方、合ってる?」
「え?あ…ごめんごめん!」
悠太くんに声をかけられて、わたしは止まっていた手を再び動かし始める。
そのときーー
悠太くんは、ノートの端をトントンとこついて。
「ん?」
わたしが悠太くんの顔を見ると、悠太くんはまた、トントンと同じ場所をこついた。
その音に視線を下ろすとーー
"夏祭り、穴場スポット知ってるから。
楽しみにしてて。"
そうノートの端に書いてあって。
満足そうに悠太くんが笑うから、わたしもペンをノートの端に走らせた。
"うん!楽しみにしてる。"