不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「楽しみだねープール!
みんなで遊びにいくの、初めてだよね!?」
「うん!」
わたしの言葉に頷いた悠里は、水着の入った袋をもう一度肩にかけなおす。
すっかり薄暗くなった帰り道。
悠里は、ふと地面を見つめながらつぶやいた。
「明里って……
本当に颯真くんと仲いいよね。
話してる2人…いつもすごく、楽しそうだもん。」
笑いながら、そう悠里は言うけれど。
その悠里の言葉に、ドキリとした。
「えっ……?
あ、あんなの、バカ言い合ってるだけで、お互いただの腐れ縁だよ?
悠里が不安に思うこと、なにもないからーー」
その言葉を発すたび、胸がぎゅっと掴まれたように痛かったけど。
その痛みから、目をそらすしかなくて。
「あ……ちがうの!
不安とか…そんなんじゃないよ。
ただ……」
わたしの言葉を否定するように、ぶんぶんと両手を横に振る。
水着の入った袋がバサバサと音をたてた。
「ただ……
羨ましいって、思う。」