不器用恋愛～好きな人は幼なじみ～

｢悠里……｣






その言葉の裏を、無意識に探ってしまう。
それに気づいたのか、悠里は慌てたように言葉を続けた。






｢あ…ほんとにちがうよ？
嫌な意味じゃないからね！

あたしは……あんな風に颯真くんと話せないから。
いつも、何を話していいのか先走って考えちゃって、思ったように言葉が出てこない。
だから、明里が羨ましいって、そう思うことあるよ。｣






にこっと笑って、悠里はそう言う。






｢………………

わたし…だって……｣






｢え？｣






｢……っ……｣





意図に反して、思わず出てしまいそうになった言葉を咄嗟に飲み込んだ。





わたしだってーー





"素直に好きだと言える悠里が、羨ましいよ。"





｢なんでもない！｣






｢なんかあった？
悠太くんとのこと？｣





｢ううん！そんなんじゃないよ。｣





｢悠太くんとうまくいってない…？｣





心配そうに言う悠里に、わたしはすぐにピースを作って。





｢……まさか。バッチリ！｣





そう言ったわたしに、悠里は安心したように、ふっと笑った。





その悠里の表情を見たとき、わたしちゃんと笑えてたんだなぁって、安心した自分がいた。





｢明里！あたしね……｣





｢ん？｣








｢颯真くんに、告白しようと思ってるんだ。｣