不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
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「あーっ!!見つけた!!
明里と悠太くん!!
二人して消えないでよー!
探すでしょ!?」
浮き輪に乗りながらバシャバシャと一番に近づいてきたのは佐奈。
それに続いて、颯真と悠里も並んでやってきた。
「ここにいたんだね。明里ちゃん。
まぁ、悠太くんも一緒かなって思ってたから、心配はしなかったけど。」
そう言って、悠里はくすっと笑う。
あれから、佐奈達がここに辿り着くのを待っていたわたしと悠太くん。
悠太くんが、わたしの浮き輪を引っ張ったり…笑わせてくれたり…特に気まずい雰囲気にもならなかったから、あっという間に今まで過ごしてこれた。
「悠太。お前、はぐれるつもりなら一言言えよ。」
「悪い悪い。」
颯真の言葉に悪びれる様子もない悠太くんは、わたしを見てくすっと笑った。
それにつられて、わたしも笑う。
「……アイコンタクトかよ。うぜぇ。」
「え?なに?」
「……なんでもねぇよ。」
「……?ちょっと颯真……」
何かをぼそっと言った颯真は、わたしと悠太くんを追いこすとズンズンと進んでいく。それを追いかけるように、悠里が隣に並んだ。
悠里が隣でーー
わたしは何メートルも離れた距離。
今までとは違っていくわたし達の距離に、胸は未だに痛んで。
だけど、悠里を見て笑う颯真を見てると、わたしの胸の波は諦めたようにスッと引いていく。
いつかーー
この痛みがなくなればいい。
そう思わずにはいられないよ。