不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
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「なぁ。メロンソーダねぇんだけど。
佐奈、違うの買っても怒らねぇ?」
「佐奈は炭酸だったらきっと大丈夫。
100%ジュースは絶対だめだよ。」
「好き嫌いが多いやつだな……」
わたし達は、キンキンに冷やしているジュースの露店を前に並ぶ。
ちょうど昼ごはん時の今は、どこの露店前も長蛇の列だ。
「悠太が言ってたフロートも、ここにねぇじゃん。
他探すしかねぇのか。」
「あっ。颯真。列から離れないで。
わたしが見てくるから。」
グッパの結果、わたし達はそろってパーを出して、ジュース係となった。
なかなかみんなのリクエストが見つからなくて、パークの中を探し歩いていた。
颯真を列の中に置いて、隣、さらに隣と、露店を見ていく。
でも、悠太くんが食べたいと言っていたフロートはどこにもない。
悠太くんは売られてるのを見て食べたいって思ったみたいだから、きっとどこかにあると思うんだけど……。
「……もっと向こうかな。」
この辺りであることは間違いないのに。
颯真が並んでるところからは結構離れてしまうけど、もう一つ向こうの区画かと、足を伸ばそうとしたときーー
「……明里!」
「へっ……?」
急に腕をとられて。
引かれたほうを振り向くと、颯真が少し息を切らしてわたしを見ていた。
まるで、並んでいた場所から走ってきたみたいに。
「な、なに……。」
「お前さ……1人で行ったら、こういうグループ分けにしてる意味ねぇの。わかる?」
「………??」
呆れたように言う颯真は、一つため息をついた。