不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
颯真は一気に男らしくなった。
成長期に入ったんだから、当たり前といえば当たり前。
だけど、颯真を見る目が変わったこの日から、
わたしの心の中のモヤモヤは増えていく。
「颯真!
わたしのノート借りて、勝手に落書きしないでよ!」
「なんだよ。明里の似顔絵書いて、ありがとうって書いただけだろ!」
「その似顔絵が腹立つの!!」
「お前の特徴とらえたつもりだけど。」
そう言って、颯真はわたしの頭をぐりぐりとなでて笑う。
「ちょっ…ぐちゃぐちゃになるじゃん!!」
「いまさらだろ!」
「どういう意味!」
…つり合ってないって自覚してるよ。
でもだからって、この気持ちをなしにはできなかった。
ただただ、幼少期の頃とは逆転した、意地悪なような優しいような……
そんな颯真が好きだった。