不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~




だって、誰か一人しかもう会えないとか、そんなの非現実的すぎて。





「もしも、なんて。想像できないよ。」





「じゃぁ質問の仕方変える。」





「え?」





「俺と悠太、どっちかしか連れていけない。
どっち連れてく?」





「…………………」




お待たせしましたー!!と、可愛い店員さんがドリンクを颯真に渡す。





ありがとう。と颯真は受けとると、歩き出した。






「……明里?行くぞ。」





「あ……うん。」






なんで急にそんな質問するかな。
どっちか…なんて、そんなの……。





わたしの中には、颯真と悠太くんの顔が同時に浮かんでーー




そのことに、わたしは驚いてた。





きっと今までなら、颯真だけだった。
だけど、悠太くんの存在も、確実に大きくなってるんだ。






「ま、お前なら、誰も連れていかなくても生きて行けそーだけどな!」





「はぁ?ちょっと!失礼!」





自然と、颯真に向ける顔も笑顔になる。






"前に進めたい"





その気持ちが叶うのも、あと少しなのかもしれない。



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