不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「なに……それ………」
颯真は、悠里が好きなんだよね?
大切なんでしょう?
告白するんでしょう?
特別……なんでしょう?
"特別だ、って言ってんだ。"
"……好きとか、それよりもっと、大切だって思える。
そいつが。"
「……わけわかんないよ。」
悠里は、"特別な人"ではないの?
視線の先で、颯真と悠里は笑い合っている。
「………………」
それ以上に、大切な人が颯真にはいるの?
「……明里?どしたー??」
立ち止まってたわたしに、悠太くんが近づいてきて、声をかけてくれる。
「……悠太くん。」
「ん?」
「んーん!なんでもない!」
悠太くんが笑うから、わたしも笑った。
颯真は悠里に告白するはずなのに。
だけど、違う大切な人がいるらしい。
つじつまが合わないようなーー
複雑さはあるけれど。
だけどそれでも、確実なことはひとつ。
わたしには関係ないってこと。
数年間一緒にいて、颯真がわたしを好きになってくれることはなかったんだ。
「悠太くん、フロート買ってきたよ!」
「マジ!?サンキュー!」
ーー気にするのは、やめるんだ。