不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
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「ま、まだ登るの……?
すでに結構高いんですけど……」
足元を見て、後悔。
数段上って、足元をみて、またまた後悔。
さっきから、わたしはその繰り返しだ。
「う~~………」
「明里、高いとこ苦手だっけ?」
ウォータースライダーの入口まで、私達は上っていく。
悠太くんはわたしの隣を歩きながら、背中を押してくれた。
「んーん……そういうわけじゃないと思う。
どちらかというと、今からスリル満点のスライダーでしょ?
絶叫でしょ?
それが恐怖………。」
「絶叫系苦手なのか?
楽しいのに。人生損してるぞー。」
悠太くんは呑気に笑いながら、
またわたしの背中を押していく。
「……………………。
ねぇ。微妙に登るの急かしてない?悠太くん。」
「ははっ。バレた?
でも、反対側で登ってる颯真達に遅れたら、他の奴らが隣で滑って、勝負になんねぇだろ?」
「それは、そうだけど………。」
"いいこと思いついたよ!あたし。"
そう言った佐奈は、わたし達に勝負事を持ち出した。
このウォータースライダーは、2人乗りでレーンが二ヵ所あるから、2ペアずつ並んで滑っていける。
それに、ここのボートが特徴的で、カーブ等の体重のかけ方でスピードが変わるらしい。
乗るごとにスリルが違うーー
その特徴が、このウォータースライダーの人気の理由だった。
それを知ってた佐奈が、
わたしと悠太くん、悠里と颯真のどちらが早く滑り切るか。
負けたほうが、勝った方にドリンクをおごる。
そんな勝負事を持ち出した。
"佐奈はどうするの?"
"あたし?あたしは下で勝敗の審判したげる!!"
と言って、佐奈は下で待機中。
悠里と颯真は、反対側の階段から登ってる最中というわけだ。
「楽しみだよなぁ~~」
「……それはなにより。」
苦笑いで返すわたしに、悠太くんはおかまいなしににこっと笑った。
「そういえば、ずっと言いたいと思ってて、言えなかったんだけど。」
「……ん?」