不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「俺が……悠太を怒らせた。」
「颯真が……?悠太くんを……?
なんでーー」
「んーー…
俺がバカだったからかな。」
「はぁ…!?
そんな説明じゃわかんないし…!!」
言葉足らずの俺に、困惑した表情で佐奈は俺を見る。
隣にいる悠里は、俺の腕を見ると、驚いたように目を見開いて。
「……颯真くん。怪我してる。」
悠里の言葉に自分の腕に目をやると、さっき壁にぶつけたときのものか、肘の部分から少し血が滲んでいて。
それに気づいたらーー
不思議なもので、だんだん痛く感じてくる。
「あたし……
救急箱持ってきてあげるね。待ってて。」
そう言って、悠里は俺たちの元から去ろうとする。
「えっ……?
あ、ちょっと悠里……!」
「いい。行かせてやって。
たぶん……口実。
あいつ、全部知ってるから。」
「"全部"……?」
眉間にしわを寄せながら、そうつぶやく佐奈に、俺はひとつ息をはいた。
もう、隠してる場合でもない。
一生封じようと思ってた……俺の胸の内。
「ーー…俺が明里を好きだってこと。
悠里も、悠太も、知ってるんだ。」