不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
ーーーーーー………
「明里ー?
あーかーり!!」
「……えっ?」
「ぼーっとしてた?
もう昼休み終わるよ。」
「あぁーごめん佐奈。
なんか、思い出してた。」
「なにを?」
「……中学の頃のこと。」
制服のスカートを払いながら立ち上がる。
背後を見ると、もうサッカーをしてる颯真の姿はなかった。
ガランとしたグラウンドがあるだけ。
いつの間に行っちゃったの?
全然気づかなかった。
「心ここにあらず、だね。
大丈夫?」
「ん?あ、うん。大丈夫。
わたしらしくないなぁ…って思うよ。ほんと。」
汚れたスカートを払いながら、屋上のドアへと向かう。
佐奈は、妙に顔をにやつかせてわたしにずいっと寄ってきた。
「颯真君のこと考えすぎて?」
「はっ……?
ば、ばっかじゃないの!!」
だけど、否定しきれないのかもしれない。