不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
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「もう、自分をごまかすこともできないと思った。
明里が悠太を選ぶのかって思ったら……」
「……………………」
ひたすら話し続ける俺に、佐奈はまだじっと俺の言葉に耳を傾けていて。
「ーー失いたくないって、思った。」
昔から、俺の隣で笑う明里を。
その場所を、もう誰にも譲りたくない。
"そんな彼氏としての颯真なんかーー必要ない"
過去にすでにフラれたような俺だけど……
気まずくなってもいい。
今の関係が、たとえ壊れてしまってもいい。
もう、何も行動しないことが、無理だった。
少しの可能性に、すがりたい。
「ははっ……
この話を悠太にして、明里に告白するつもりだって言ったら、このザマ。」
"お前が、明里を諦めて、悠里を好きになりたいって言ったんだろ!?
結局、悠里まで最低な形で傷つけやがって…!
……っざけんなよ!!"
元々、俺が明里を想っていたことは、悠太にも話していた。
その上で、悠里を好きになりたいと言った俺に、
"傷付けたら許さねぇ"と、言われていたのに。
「…………………」
悠太の怒りは当然のことで。
だから……悠太に食らった1発は、かなり重かった。
「ちょっ……と、待って……?」
そこでようやく、じっと話を聞いていた佐奈が、口を開く。
「悠太くんは……
元々、颯真くんが明里を好きだってこと、知ってたの……?」