不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
うつ向きがちに言ったその言葉は、わたしの心をストレートに突き刺す。
「俺が颯真を怒鳴ったのは……
ーーー……。
今度こそ、負けると思ったから。」
負ける??
「"ズルい"ことって言うのはーー…」
そこまで言うと、悠太くんはわたしを見て言葉を止める。
どうしても、知りたかった。
わたしの感は、いつも当たるの。
悠太くんの言う、"本当のこと"と"ズルい"こと。
その言葉を聞いたとき、わたしの心にひっかかるものがあって。
そのひっかかかりの感覚はーー
今までのいつだって、颯真に関係していることだったから。
だから、もしかしたら今回も……って。
真剣な表情だったのか、
わたしの顔を見て、悠太くんは諦めたようにひとつ息をはいた。
「……ごめん。俺、明里に嘘ついてた。」
「え……?」
そして、悠太くんはわたしの頬に触れる。
その手は……どこまでも優しくて。
「俺が前に明里に言ったこと。」
「え……?」
「颯真が悠里に告白するって言ってたって……
あれ……
ーー嘘だよ。」