不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「なんで……?明里。」
悠里の目が、悲しそうに歪む。
やっと気づいたの。
颯真の気持ちを聞いて、嬉しいはずなのに……
心の中に感じたモヤモヤ感。
その理由が。
「わたし……悠里に嘘、ついてた。
悠里がわたしに好きな人いないの?って聞いたときーー
わたし、いないって言ったけど……。
あれ……嘘なんだ。」
「……え?」
本当の気持ちを、わたしがついていた嘘を、悠里に明かしていないままで。
そんな状態でーー
前に進もうとする自分が、心底嫌だったんだ。
「わたし本当は……ずっと好きな人がいたの。
だけどそれを隠してた。」
「…………………」
「本当は、幼い頃からずっと、颯真のことが好きだった。
だけど……叶わないから、悠里に言うことないと思った。
悠里の気持ちを応援しようと思ったの。」
悠里は、視線を上げて、わたしを見る。
悠里は大事な友達の一人。
だからこそーー
もう嫌われてもいい。
「ずっと悠里に本当のこと言わなかった……。
……ごめんね。」