不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~



「へ……?」



「なんだよ。悠太、こいつ口説いてんの?」



「べつにそんなんじゃないし。
正直に言っただけだっつーの。」



そう言ってニッと笑う男の子。
明るい茶髪に、腰に巻いた上着がなんとも似合ってる。




名前はたしか、木ノ原悠太。



「えっと…あー…どーも…」



こんな真正面から誉められたことないから、こんな言葉しか出ない。もともと美人でよく噂される子なら、さらっと受け答えできるんだろうけど。



わたしには到底無理。



「俺、木ノ原悠太。
よく颯真は明里ちゃんと話してるから、俺は知ってたんだけど。
今年から同じクラスだし、よろしく。」



そう言って、悠太くんは手を差し出す。



「あ、よろしく…」



わたしも名前は知ってたよ。
と、心ん中で答えながら、その手を取って握手をする。
少し汗ばんだ手が、印象に残った。



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