不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「………。」
なにも言わず、悠太くんは握ったわたしの手をじっと見つめてくる。
「…?なに?」
「ちっせー手だなぁ明里ちゃん。」
わたしは、颯真以外とはあんまり男の子の友達はいない。だから、こんな真正面で話をすることに慣れてなくで、なんだか緊張してしまう。
…って、中学生かわたしは。
「そ、そう?
そんなことないよ。」
なるべく自然に!
と意気込んで返事をしていると、横から颯真が割り込んできた。
「チビだから手もチビなんだよ」
「うるさいだまって。」
「なに?俺に対して当たり強くね?明里。」
「失礼なこと言うから。当たり前でしょ。」
「そんなツンケンしてると彼氏できねーぞ。」
「大きなお世話!!」
今日一番の大声を出したところで、近くにいた悠太くんが盛大に吹き出した。