不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「2人は仲がいいのか悪いのか、
どっちなんだよ!」
悠太くんは、額に浮かんだ汗をぬぐう。
笑うその表情はどこか幼げで可愛らしい。
「どっちって……
……なぁ?」
「わたしにふらないでよ。」
というか、即答してよ。
……失礼なやつ。
「木ノ原くんー!
暮野くんー!
早く!置いてくよー!」
遥か遠くから大声で手を振る女の子達。
「おー。今行くー!」
「なんだ。一緒に登ってたの?」
そう問いかけたのは佐奈。
わたしも同じ疑問を抱いたのは言うまでもないけど、てっきり悠太くんと2人で行動してると思い込んでたわたしが感じたのは、ちょっとした胸のもや。