不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~



「そう…だよね。」


そんな颯真の返事だって、わかりきってたことじゃんか。



どうしよう。
わたし、笑えてる?



“何も変わっちゃいない“



その言葉が鉛のように重くて。



「……と、いうか。」



そう言いながら振り向いた颯真の瞳に、
わたしが映る。



「そんなこと気にしてる暇があったら、
さっさと好きな人作れよな。」



ふっと笑って、颯真は救急箱を持ち直した。



「わ、わかってるよ…!
颯真こそ、早く好きな人作りなよね…!」



そんな言葉は、わたしの精一杯の強がりで。



「……俺はいーの。」



「え?なんでーー」



「お前より先に彼女作ったら、お前一緒にいてくれる男友達いなくなるだろ。
いいのか?寂しい青春にーー」



「な、なにそれ大きなお世話…!!」



ははっと口をあけて笑う颯真が好き。



でもーー
この気持ちは、後につながらないんでしょう?



むしろ、壊してしまうんでしょう?



だったら、この気持ちをどこに持っていけばいいの?



教えてよ。颯真。



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