不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「それなのにさ、やめるとか…早いと思うよ。」
「……………」
「明里?」
急にだまりこんだわたしに、佐奈が不思議そうにのぞきこむ。
わたしは、そんな佐奈の手を振り払った。
「明里……!?」
「行動なんてできるはずないの……!!」
わたしと颯真は、ただの友達じゃない。
子供の頃から、接点は多かった。
馬鹿言い合って、居心地がよくて。
この幼馴染みという関係性があるからーー…
わたし達の今がある。
笑い合っていられる今がある。
この関係が壊れるのはーー怖いの。
行動を起こして、気まずくなって。
居心地が悪くなって。
ただの他人となってしまうのが怖いんだよ……。
「前に颯真は言ってた。
もし行動を起こしたとしたら…
今の関係はきっと壊れるって。
そんなこと聞いたら……身動きがとれないよ……」