不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「明里……」
佐奈がわたしの顔を見て驚いてる。
当たり前だよ。
佐奈の前で初めて…自分の気持ちを押さえきれずに涙が出てるんだから。
「あぁー…もう。ごめんね明里。
泣かないでよー」
そう言って背中をさすってくれる佐奈。
わたしのことを考えて言ってくれてるのに、
なにも動けない自分がもどかしくてーー
さらに涙が溢れた。
ーーーーーー……………
「……………」
「……なにやってんだ?悠太ーー」
「ーーしっ……」
救急室のそばで、そう相手の声を防いだ男子。
中にいる2人にバレないよう、
静かにその場を離れた。
「…………。
どうすっかなぁ……」
そうつぶやいた悠太の表情はーー思案顔。