不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「君と仲良くなりたいだけ」
ーーーー……
「暑くなってきたねー。
この教室の熱気やばいと思う。」
課外キャンプが終わり、普段の授業スタイルが戻ってきた。
夏が近づいてきて、目の前の佐奈は制服のスカートをパタパタとあおいでいる。
中に体操ズボンをはいてるとはいえ…
きっと男子は目のやり場に困っている。
と、思う。
「お前、それやめろって言ってんだろいつも。」
「だって暑いんだもん。
見たって減らないんだからいいでしょ。」
「呆れる女だなほんと……」
言葉の通り、呆れた声を出す颯真は、
手のひらを上に向け、わたしの方へ指先を向けた。
「……なに?この手。」
「いつもの。」
そう意地悪く笑う颯真。
この古典の授業前はいつもそうだ。
わたしの予習ノートを持っていく。
それがいつもの流れ。だったんだけど。
「ーー颯真くん。
あたしのノート貸そうか?」
そう声を上げたのは、
課外キャンプから、わたし達と一緒に行動するようになった悠里。