不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「まじで?
サンキュー。」
そう言って、颯真と悠里は別の机で一緒に話し始めた。
颯真はひたすらにペンを動かしてる。
「…………」
悠里の気持ちはわかりやすい。
表情でも、言葉でも、振る舞いでも。
直接言わなくても、颯真のことすきなんだなって…
わかりやすい好意を示してる。
それを鈍感な颯真が気づいてるのかはーー
わからないけど。
悠里はとってもいい子。裏表もなくて。
そんな悠里はわたし達の友達だから、
応援してあげたい。
でもわたしはーー
正直、複雑な心持ちで。
あんな2人を見てると、胸の奥が沈みこむ。
むしろ颯真と悠里がうまくいったほうが、
わたしのためになるかもしれないのにね。
颯真への気持ちから卒業するために。
理想と自分の気持ちは、矛盾してる。
「はぁ…………」
ぼーっと2人を見てるとーー
わたしの前に影ができた。
「明里。俺にノート貸してよ。」