不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~




「悠太くん」



課外キャンプ以来、悠太くんとも話す機会が増えた。



というより、悠太くんが主に声をかけてきてくれるんだけど。




「悠太くんも写すの?」



「うん。今日俺、当たりそうだし。」



そうくすっと笑って、わたしの目の前の椅子に腰を下ろす。



「颯真と一緒じゃん!
悪いやつ!」



「今度なんか奢るから!
なっ?」




そうパチンと手を合わせ頭を下げる彼に、
拒否しつづける理由もなくて。



「……はい。」



わたしは古典のノートを悠太くんに差し出した。




「ありがとー!」




そう言って、悠太くんはペンを走らせる。






< 46 / 190 >

この作品をシェア

pagetop