不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「悠太くん」
課外キャンプ以来、悠太くんとも話す機会が増えた。
というより、悠太くんが主に声をかけてきてくれるんだけど。
「悠太くんも写すの?」
「うん。今日俺、当たりそうだし。」
そうくすっと笑って、わたしの目の前の椅子に腰を下ろす。
「颯真と一緒じゃん!
悪いやつ!」
「今度なんか奢るから!
なっ?」
そうパチンと手を合わせ頭を下げる彼に、
拒否しつづける理由もなくて。
「……はい。」
わたしは古典のノートを悠太くんに差し出した。
「ありがとー!」
そう言って、悠太くんはペンを走らせる。