不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~



…………え?




ぽかんと悠太くんを見ると、
ははっと微笑んでわたしからまた目をそらす。




もしかしてーー




「悠太くーー」



口を開こうとしたとき、予鈴のチャイムがなった。




「あ……」




それからすぐに、悠太くんは後ろ手でひらひらと手をふって自分の席へ帰っていく。




「……………」




なんていうタイミング。
わたしの胸のもやもやは止まらない。




もしかして悠太くんはーー




わたしの気持ちに気づいてる?




"悲しそうな顔してたから。"




それと同時に、そんなに顔に出てたなんてーー…




わたしは恥ずかしさと動揺とが合わさって。




思わず机に突っ伏した。




……後で絶対に悠太くんに聞こう。



そしてーー否定しなきゃ。



もし万が一颯真に伝わってしまったら……。



そう考えると、きゅっと胸が痛くなって。
わたしは振り切るように黒板へ視線を移した。


< 49 / 190 >

この作品をシェア

pagetop