不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
…………え?
ぽかんと悠太くんを見ると、
ははっと微笑んでわたしからまた目をそらす。
もしかしてーー
「悠太くーー」
口を開こうとしたとき、予鈴のチャイムがなった。
「あ……」
それからすぐに、悠太くんは後ろ手でひらひらと手をふって自分の席へ帰っていく。
「……………」
なんていうタイミング。
わたしの胸のもやもやは止まらない。
もしかして悠太くんはーー
わたしの気持ちに気づいてる?
"悲しそうな顔してたから。"
それと同時に、そんなに顔に出てたなんてーー…
わたしは恥ずかしさと動揺とが合わさって。
思わず机に突っ伏した。
……後で絶対に悠太くんに聞こう。
そしてーー否定しなきゃ。
もし万が一颯真に伝わってしまったら……。
そう考えると、きゅっと胸が痛くなって。
わたしは振り切るように黒板へ視線を移した。