不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
颯真はサッカー部でもなんでもない。
ただ、中学までサッカー部にいたからそこそこ上手。
そんな颯真の昼休みのサッカーを、人気の少ない屋上からこそっと見るのがわたし達の日課。
……ううん。佐奈は付き合ってくれてるだけだから、わたしだけの日課かな。
「明里にもこんな可愛らしいところがあるんだぞーって、言ってやりたいよほんとに。」
「だめだよ!?
わたし別に、今のままでいいもん。」
「ふーん?
幼なじみで、友達で、口喧嘩も日常茶飯事。
そんなバカみたいな関係のままでいいの?」
「バカみたいって言わないでよ…」
佐奈は少し毒舌。だけど、その言葉の裏に、友達としての優しさを知ってる。
「後悔してもしらないよー?
忠告したからね。あたしは!」
グラウンドが一瞬騒がしくなって、ふと目を颯真のに戻すと、シュートを決めたのか楽しそうに笑う颯真が見えた。
と、同時に、サッカーをしてるその集団にかけよる女の子達。