不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「ねぇ、明里は?」
「え?」
「明里は今、好きな人とか、いないの?」
ニコニコ笑いながら聞いてくる悠里。
(ただの拷問だよ……)
「……いないよ。」
「そうなの?
明里、可愛いのに……もったいないよー。」
「悠里に言われても、謙遜にしか聞こえないよ。」
わたしは思わず、苦笑い。
だって、こんなトイプードルを思い起こさせる女の子に言われても、納得いかないよ。
「知らないのー?
明里、男の子の中で人気あるんだよー。」
「えぇ……」
わたしが納得のいかない声を出したのとーー
あっ!!という悠里の声が重なったのは、ほぼ同時。
「悠太くんは?
最近仲いいよね!」
「悠太くんは、そんなんじゃないよ。」
「悠太くん、絶対いいよ!
あたしが保証する!」
「なんで悠里にわかるのー?」
たしかに、悠太くんは颯真と違って爽やかだし、颯真と違ってわたしのことほめ誉めてくれるしーー
「わかるよ。
だってあたしと悠太くん……
幼馴染みだもん。」
「そう……幼馴染み……」
……って、え?